農地の所有者が行政処分取り消しの訴訟提起し執行停止決定
「執行不停止の原則」とは、行政不服審査法及び行政事件訴訟法で規定されている原則であり、行政庁が行った処分の効力は、審査請求や取消訴訟を提起したとしても、有効のままであるという原則です。
農地の元所有者が、その買収計画に
對する行政処分取消の訴訟を提起し、
その行政処分の執行停止決定を得たとしても
仮処分債権者が右買収計画手績によって
農地の所有権を取得したとし、
その保全のために元所有者を相手方としてした
仮処分決定はその理由を失ったものと解すべきではない。
何故ならば右執行停止決定は単に農地買収計画に基く
買収手續の進行を停止する効力を有するだけであって、
すでに執行されたその手續の効果を覆滅して
元所有者の所有権を確定する効力を有するものと解すべきではなく、
従って仮処分債権者の被保全権利は
右の執行停止決定により直ちに
失われたものとすることはできないからである。
然らば右執行停止決定がなされたことによって、
本件仮処分の理由が消滅したものと言い得ないとした
原判決は結局正当であって論旨は理由がない。
とされています